はじまり
4月3日。いよいよスペインへと出発する日がやってきた。同時に、この日は初めての一人旅へと出発する日でもある。今まで旅行はたくさん行ってきた方だと思うが、これまで一人旅はしたことがなかった。2月に友人と中東に行く前まではいわゆる安宿というものに泊まったこともなかった。そんな状態だったので、正直いきなりサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(El Camino de Santiago)に挑戦するのは些か不安だった。それでもこの道を歩こうと思ったのは、長距離をずっと歩いて旅するというのがなんだか旅の始まりとしてはふさわしい気がしたからだ。それになりより、ハチクロを読む度に竹本くんがやった自転車の旅みたいな旅行をしてみたいと思ってたというのが大きいww 竹本くんが修復師の人たちと別れて北海道の北端に着くまでの描写はハチクロの中でも好きなシーンの1つなのだ。フランスへ
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にはいくつかのルートがあるが、僕が選んだのはその中でも一番メジャーなフランスの道だ。この道を歩く人の多くは、フランスとスペインの国境近く(フランス側)にある小さな町、サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(Saint-Jean-Pied-de-Port)からスタートするということだったので、僕もそこからスタートすることにした。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーへは、パリから特急に乗ってバイヨンヌという町へ向かい、そこで在来線に乗り換えると辿りつける。僕の場合は4月3日午前中の便で日本を離れ、パリに夕方に到着。その日の深夜に夜行でパリを出発し、バイヨンヌで鈍行に乗り換えて4月4日朝にサン・ジャン・ピエ・ド・ポーに到着した。はじめての夜行は意外と快適だったものの、さすがに飛行機との乗り継ぎだったので、いきなり歩き始めるのは良くないと思い丸一日この町に滞在することにした。朝の同じ電車で来た人たちのほとんどはこの町に滞在せず、数キロ先の町まで歩くことが多いようだ。写真はサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの町を高台から眺めた風景。
旅支度
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーにある巡礼事務所。ここでクレデンシャルを発行してもらった。
クレデンシャルとは巡礼手帳のことであり、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩く上でなによりも重要なものだ。巡礼路沿いにはアルベルゲと呼ばれる巡礼者用の宿がたくさんあるが、そこに泊まるにはクレデンシャルを持っていなければならない。また、アルベルゲに泊まるときにクレデンシャルにスタンプを押してもらうのだが、このスタンプはサンティアゴ・デ・コンポステーラにたどり着いたときに巡礼証明書をもらう上で必要になる。巡礼証明書をもらうには徒歩ならば最後の100km以上を、自転車の場合は200km以上を巡礼している必要があり、クレデンシャルに押されたスタンプが巡礼した証明になるのだ。
クレデンシャルを手に入れたあとは、町を散策したりしながら過ごした。町には屋外市場があり、ここでドライフルーツやサラミなどの食料を仕入れた。
アルベルゲ
アルベルゲとは巡礼者用の宿のことであり、5ユーロ〜10ユーロほどで泊まることが出来る。中には寄付だけで泊まれるアルベルゲもある。また、宿泊者全員で夕食を作るところ、電気も水道もなく昔ながらの生活を体験できるところなど、特色あるアルベルゲもあり、巡礼者同士の会話でアルベルゲについて話すこともよくあった。多くのアルベルゲでは大きな部屋に複数の二段ベッドが置いてある部屋に泊まることになる。サン・ジャン・ピエ・ド・ポーのアルベルゲは想像していたよりもずっと清潔で、シャワールームも新しめで快適だった。イエメンで泊まった10ドルの宿は決してきれいではなかったので、正直アルベルゲも似たようなものじゃないのかと思っていたので少し驚いた。振り返ってみると、たしかにこの宿はきれいな部類に入るところだったのだが、他の宿もそこまでひどいところはなかったように思う。初日の夜は明日から始まる旅に思いをはせながら眠りについた。
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